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福島第一原子力発電所汚染水処理問題

  • watamay1948
  • 2020年6月7日
  • 読了時間: 3分

汚染水処理の議論が,経済性や敷地保管の制約が迫っていることを理由に進められていること自体に大きな疑問を感じています。

① 染水そのものがどのような物質がどのくらい含まれているのか。(トリチウムだけではありません)

② その放射性物質の放出基準濃度がどのような観点でつくられているのか。

③ その安全性や環境への影響,人体への影響は何か

を公開・公表することが先ず求められていると思います。意見聴取会の資料では全く不足しています。国民に,きちんとした科学的データを示し,意見聴取をすべきと思います。

その上で,そもそも汚染水問題は凍土壁の失敗にあるのではないでしょうか。雨水が入らないよう原発敷地内の地表をシールドし,「冷却水を循環させること」が凍土壁採用の大きな理由でしたが,現在でも地下水流入量は凍土壁設置前の1/2~1/3程度しか減少しておりません。この結果と関連してデブリの取り出しも原子炉に水をためられず,空気中でやる工法が考えられています。

何よりも優先して冷却水の循環を確保しなければ,廃炉期間中汚染水は出っ放しになります。薄めれば環境中に放出すればよいとの考え方自体が受け入れられません。今すべきことは「地下水制御を真剣に考え,方策を示す」ことです。

その上で,これまで溜まった汚染水をどうするかを検討すべきと考えます。汚染水処理の原則として,汚染水の安全性が担保されることが最も重要です。

安全性の担保には,

① 汚染水そのものに含まれる物質の安全性を科学的に示すこと

② 環境基準で示される濃度基準が安全であることをこれまでの放出結果を踏まえて示すこと

③ 濃度基準が担保される仕組み(機器や規定,組織)を構築すること

が必要と思います。

これまで国内外を含め多くの科学者が多額の予算を使いトリチウム除去システムを研究していますが,顕著な成果はなかったのでしょうか。「国際的な英知を結集」した結果も示されておりません。失敗は失敗でいいのですが,報道は可能性ばかりを取り上げ,後始末はしませんので,現地では期待感だけが残って,国の経済的観点での方策しか感じられないのが現状です。

汚染水の敷地内保管が義務づけられていることは知っていますが,このような大きな事故を踏まえ,それでも敷地境界にこだわらなければならない理由は理解できません。濃度規制が保たれても,総量で問題はないのだろうかなど一般環境への排出は最後の手段だと思います。それまでの努力を国や私たちはしてきたといえるのでしょうか。放出前にやるべきことがまだまだあるように思います。

風評はデマもありますが,現在の多くの風評は安全に対する懸念です。それはお金を費やし,宣伝しても解消しません。それよりもきちんとした安全性を重ね重ね示すことが確かな風評対策になると思います。現在の福島の風評をきちんと分析すればわかる話ですが,すぐ補償とか,対策費用予算とかに転換されてしまう風潮もおかしな社会です。一般環境を汚染させることの重大性を再考すべきです。いったん放流すればもとには戻りません。

① 放流した時の影響評価を空間・時間的に提示すること

② 結果責任に対して法的に規定すること

など,最低条件と考えます。

科学立国の日本人は科学的にものを考えることができることを基本に据えてご対応くださいますようお願いいたします。

                                 以上

 
 
 

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